昨年の国内景気は、政府の公共事業増加等の経済対策により、企業収益と雇用環境の改善が進んだことや、日銀による量的・質的金融緩和政策に支えられ円安・株高基調となった。しかし、消費税増税の反動に伴う個人消費の停滞から景気の足踏みが見られたことにより、年末にかけて消費税再増税の延期発表と衆議院の解散総選挙が行われ、諸政策の実行に遅れが生じるなど、不透明感が拭えない一年となった。迎えた本年は、円安進行による原材料価格の上昇など懸念事項は存在しているが、年間を通して緩やかに景気回復していくものと予想される。このような状況下、当社を取り巻く環境は、電力各社の再生可能エネルギー発電設備に対する出力制限問題や、新設住宅着工戸数の低調な推移がみられる一方で、民間非居住建築物棟数の減少テンポの鈍化や、堅調な設備投資需要など跛行性を示しており、予測しにくい展開といえる。
当社としては、「優良な製品をもって社会に貢献する」という社是のもと、再生可能エネルギーである太陽光発電設備に関連する接続箱や集電箱、発電状況を監視する装置「PVユニット」などの製品販売に注力してきた。また昨年は、高圧受電設備の輸送に関して、トラック輸送から鉄道輸送への「モーダルシフト」を推し進め、国土交通省から業界初となる「エコレールマーク」取り組み企業と認定されるなど、物流過程において環境負荷低減に向けた取り組みを行ってきた。
今後も、EV・PHEV自動車用充電スタンドの販売・サービスの強化や、蓄電池収納ボックス、分散電源システムに対応する電源切替盤の提案など、エネルギーマネジメント市場への製品展開を行うのはもちろんのこと、製造、販売、物流など当社事業に関わるさまざまな過程においても、社会・環境に貢献する新たな価値を作り出していける企業として全力で取り組んでいきたい。