今年の状況を予測するためには、分析が必要だ。中国の成長鈍化、グローバルマーケットの停滞など、日本だけが円安で輸出競争力を付けても解決しない。そのような中、設備産業においては、新興国をはじめとした労務費の上昇に伴い、自動化・ロボット化の動きが加速している。今までは、労働集約型の産業が労務費の安い所に流れるという歴史を繰り返してきた。繊維産業などは、日本から中国、さらにはインドや東南アジアへとシフトしてきている。そこで日本は、知識集約型産業にシフトする必要があると感じている。航空機に代表される、高度な技術が求められる産業がそれに当たる。
当社は、発展が見込める産業に経営資源を集中させていく。具体的には「航空機」「自動車」「鉄道」といった移動関連産業だ。特に航空機に関しては、元々自社のルーツでもある航空産業の技術をそのまま活用することができる。また、この円安は戦後の日本における航空産業の空白期間を埋め、製造力を強くするための千載一遇のチャンスと考えている。
当社の強みは3点ある。創業時から変わらない「センサー技術と制御の応用技術」、それを事業化するための「協力会社体制」、長期視点のビジョンで経営する「ぶれない経営」である。今後も上場はせず、将来への投資もしっかり行い、社員と想いを共有し、事業を永続させていく。