IDECは、試薬や血液などの検体検査装置や分析機器などに最適な、小型の固定式1次元CCDスキャナ(バーコードリーダ)「WB1F形」を27日から発売した。標準価格は3万5000円。発売後3年間で3万台の販売を目指す。
近年医療分野においては、患者や薬に関する情報のネットワーク化が進展、バーコードによる管理が広がっている。また、医療分析機器の小型化が進み、機器内部に組み込まれるバーコードリーダについても設置スペースの削減ニーズが高まっている。さらに、機器のエンドユーザーに対するメンテナンス業務などへの対応から、バーコードの読み取り状態やエラー発生状況を確認するための機能など、これまでの製品には搭載されていなかった機能も求められていた。
今回の新製品では、他社相当機種に比べ、体積比で60%削減。縦50ミリ×横20ミリ×奥行き20ミリと圧倒的な小型化を実現し、機器設計者の自由度を飛躍的に高めている。小型化を実現したことにより、従来は取り付けと読み取り方向に合わせて、「フロントタイプ」「サイドタイプ」など型式を使い分ける必要があったが、同一型式で共用でき、機器メーカーの部品管理工数が削減できる。本体に操作ボタンと、安定動作の確認が可能な表示LEDを搭載することで、PCやPLCなどのホスト機器がない状態でも読み取り状態を確認しながら組み付け現場で位置合わせが可能になるため、機器組み込み時の工数削減にも寄与する。
PCを用いたファームウェアの書き換え、読み取りデータ解析機能を用いたエラー分析なども可能で、仕様変更や万が一の読み取り不具合発生時にも装置が設置されている現場で対応ができる。
IDECはグループ会社で、伊データロジック社製自動認識機器製品を販売しているが、同製品はIDECが独自の光学技術をもとに開発。今後、データロジック社での販売も視野に入れ、グローバル展開をはかる。