今年も経営目標に掲げた通り、「自動車関連市場」「産業機器市場」に注力していく。現在、両市場向け製品の比率は約34%であるが、早期に40%に高めていきたい。特にFA機器向けではサーボモータや、インバータ向けなどが来年も堅調と見ている。
産業機器向けには、当社の得意とする中~高耐圧のディスクリート製品はもちろん、電源まわりに使用されるDC/DCコンバータ、絶縁素子内蔵のゲートドライバなど多数の製品をもとに、ソリューション提案を推進していく。特に産業機器向けデバイスでは、一貫生産体制により実現している「高品質・安定供給」を継続して徹底していく。「高品質」ではグループ内で開発・設計、ウエハ製造を含めた生産、販売・サービスまでを行っており、全てのプロセスで品質を高める活動に取り組むと共に、卓越したトレーサビリティも実現している。「安定供給」では、産業機器に求められる長期保証にあわせ、10年以上の長期供給を掲げ、一貫体制を軸に垂直統合型生産体制で製造工程を自社管理しているため、外部から影響を受けにくい体制にしている。もちろん多拠点生産体制や、安全在庫の保有などを軸としたBCM(事業継続マネジメント)体制も整え、お客様への安定供給に努めている。デバイスレベルでも機能安全が注目されてきており、安全に対する取り組みも継続して行っていく。
IoT分野でも、グループ会社のラピスセミコンダクタやKinoxの多様なセンシングデバイスが期待される。今後も民生機器分野・車載分野で培った、小型や省エネなど信頼性の高い技術を生かし産業機器分野のニーズにあった製品を提供する。