2015年3月期の売り上げは、前期比約10%増の92億円となる見込みである。スイッチ、コネクタ、端子台、アルミ加工、医療センサ関連などの各部門全般に好調である。5年間の「PLAN115計画」の4年目は計画通り進んでおり、来期の最終5年目の売上高100億円、利益10億円の目標達成に向けた財務面の見直しを行っている。
中国工場では今年、昨年立ち上げたMIM(金属粉末射出成型)設備を12台増設し、生産体制を強化する。MIMは、金属の粉末を使用して樹脂成形技術と粉末冶金技術を組み合わせた方法で、プラスチック以上の強度があり、複雑形状の部品を高精度に製造できるのが特徴だ。スマートフォンや時計部品などの生産を進めており、将来はステンレスやチタンといった材料などにも対応を考えており、9億円の売り上げを計画している。
もうひとつの期待は今年下期からのアルミダイカストの本格的な立ち上げである。スマートフォンやタブレットPC、ウェアラブル機器などで、従来のアルミ板切削からの転換になるため、コストも抑えられる。加色などもできるため、装飾品などの生産にも対応できる。現在約30億円あるアルミフレーム加工からの転換にもなるが、売り上げは同等以上を見込める。
タイ工場は中国工場から端子台の生産設備を移管しており、今月から本格的に立ち上がる。従業員数は約40人であるが、成型、プレスなどの工程を一貫して行うとともに、他の中国やマレーシアなどの海外工場を含めて生産品の再配置を行いながら省人化に向けた自動化生産を進め、コスト競争力を高めていく。
一方、営業は昨年4月から国内で金属加工と医療機器にグループを分けて取り組んでいる。医療機器関係も今年は新しい製品が出てくる。MIMについても、中国国内での事業部化を考えていきたい。