当社は端子台、電気中継部品を主に開発・製造・販売しており、昨年は充電器などの自動車関連向けや、モーター、インバータなどの産業機械向けの引き合いが増えてきたと感じている。特に後半から大ロットでの案件が増えてきており、今年も継続するものと見ている。海外製部品を採用していたメーカーの、国産部品回帰も目立ってきている。円安による価格差縮小という面もあるが、品質面での国内メーカー優位は依然ゆるぎないものがあり、当社にもそのような案件が増えてきている。
半面、ユーザーの価格見直し要求、品質要求は非常に厳しい。これには長い時間をかけてじっくり取り組んでいきたい。特に金属原料の高騰、原油価格の変動、円安などで原材料費の変動が激しく、製品により実際の原価と販売価格のバランスがとれていないものも多々ある。顧客と信頼関係を築きあげながら、定期的な販売価格への反映など、長期にわたって安定供給できる適正な価格・条件で交渉を続けていきたい。
新製品ではスクリューレスタイプの端子台を予定している。もともと欧州で普及している方式だったため、今までは欧州メーカー品が主流だった。自社開発、製造できる強みを生かして、品質・価格でメリットを出していきたい。また、自動車業界をはじめ様々な業界に入り込んでいきたい。自社設備を活用し、端子台以外の分野でも直接顧客に製品を届けられるよう展開していく。
販売面では、現在は3割程度の直販をさらに強化していきたい。ユーザーにとっても製品仕様、納期、価格交渉をスピーディに行えるとのことで、WIN―WINの関係を築くことに寄与できると考えている。
また、部品の標準化などで、納期対応力を強化するとともに、ネット販売も強化し「すぐに欲しい」というお客様の要望にもできるだけ対応できる体制を築き、顧客満足度の向上と企業体質強化を両立させていく。