菅野電機研究所 「素材妥協せず品質向上」 菅野義永代表取締役社長

菅野義永 代表取締役社長
菅野義永
代表取締役社長

2014年は4月の消費税アップの駆け込み需要の反動が想定よりも長引いた感があるものの、10月頃から持ち直したと感じている。アベノミクス効果が大手から中小企業まで少しずつではあるものの浸透してきたのではないだろうか。円安による影響により、産業機械メーカーの国内生産回帰など良い影響もあったと考えている。医療分野も堅調だ。

マイナス面としてはトランスに使われる銅、マグネットワイヤーなどの原材料費の高止まりが挙げられる。最近は台湾、韓国などの海外メーカーも積極的に参入してきている。円安を考慮しても、コストを見た場合メリットがあるのだが、当社は実績のある日本メーカー製素材にこだわって製品を作っていく。

理由は高い品質へのこだわりにある。特にトランスは電力供給の根底にある重要部品であり、万が一故障すると、ユーザーに重大な影響が発生する。長期間にわたり継続的に使用されるものでもあり、素材の受け入れ検査、製品の出荷時検査だけではとらえられない不具合も許されない。このような背景もあり、素材は日本メーカー製にこだわっていく。

経営の効率化も積極的に行っていく。当社のトランスは産業用がメインで、標準化は進めているものの、少量多品種という特徴がある。現在400種程度の製品があるが、年1台出荷されるかどうかという製品もあり、随時見直しをしていく。営業面でも効率化を進める。現在直販比率が7割程度あり、ネット販売の強化や、商社への販売委託・営業委託による新規需要の掘り起こしも積極的に進めていく。価格の見直しも随時ユーザーに要請していく。製造業も人材の不足が問題になってきている。協力企業にも同様のことがいえ、工賃も上昇傾向にある。原材料費の高止まりとあいまって、自助努力だけでは吸収できないレベルになりつつある。息が長い交渉にはなるが、理解を求めていきたい。

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