昨年は農業分野向けの自動散水・かん水システム「オートレイン」が好調で前期比売上げが15%程度増加した。顧客も当社の地盤である東海地域から、北海道、九州まで広がり、展示会出展などの営業努力が少しずつ実ってきた結果と考えている。
円安の効果もあり、輸出も好調で、空調制御や照明の制御向けなどの24時間タイマーの売上げが増えている。特に中近東地域では制御盤内の温度も高くなるため、高温で変形してしまう樹脂製製品ではなく、当社が採用している金属製筺体の堅牢性が高い評価を得ている。30年近くの実績もあり、更新需要や、「メイドインジャパン」の信頼性とあいまって、今後も期待される。
今年はTPPの動きにも注目している。農家の所得を増やすためにも、海外との競争に勝ち抜くためにも、農業の規模拡大の流れはこのまま続くと予想され、補助金などを使った人手不足対応(人件費削減)の省力化はますます進んでいくとみている。当社はタイマーという技術で日本農業の競争力強化に貢献していきたい。
農業用以外でもタイマー事業は堅調に推移するものと見ている。2020年の東京オリンピックに向けた建設需要や、在来新幹線の延伸、リニア新幹線の新設などインフラ需要も旺盛だ。震災以降、電力料金の上昇による省エネニーズも確実に高まっており、工業向けはもちろん、住宅機器メーカー向け省エネ用途のカレンダタイマーも好調を維持すると考えている。
製品開発では、情報を捉えるアンテナを常に高く張り、情報を入手し、適切に判断するかが今後も重要になってくる。当社が30年前に、他社に先駆けてカレンダタイマーを自社開発できたのもそのおかげである。他社のまねではなく、お客様に選択していただける製品を自社開発することで、今後も顧客に支持される製品を送り出し、確実に会社を成長させていきたい。