当社は液晶・半導体の検査に用いるプローブカードや検査装置を主力としており、昨年はWindowsOSの入れ替えやハイエンドスマートフォン向け投資などにより、恵まれた市況下にあった。モバイルDRAM向けや車載向け半導体、CMOSイメージセンサ向けなども好調で期初予想を上回る結果を残すことができた。今年はその反動が想定されるが、守りから攻める年になりそうだ。従来はメモリ向けプローブカード事業がメインだったが、ポテンシャルがあるロジック向け市場にも注力することで、変動の激しい市場の影響を受けにくい体質にしていく。将来の成長に向けた積極的な設備投資や、研究開発も計画している。
当社の強みとして、プローブカード事業だけではなく、装置事業まで手掛けていることで、モノプロダクトではできない提案型のビジネスの構築ができることが挙げられる。また、大半の製造設備を内製化していることから、品質、納期、コストを自社でコントロールし、他社との差別化が図れたといえる。今後もプローブカードおよび、検査装置で培った技術力を積極的に活用し、製品開発を進めていきたい。市場としては、メモリ市場の一大拠点韓国はもちろん、ロジックの最大市場である北米を確実にカバーしていく。
新分野として、二次電池にも注力していく。グエラテクノロジー社との共同開発による二次電池「バテナイス」は量子技術に基づく物理電池に属し、小型軽量化が可能で、理論的に電力密度、出力密度を飛躍的に高められる。また、電解液を使用せずに固体の不燃材料で製造されるため、安全性が高く、長寿命で扱いが容易な電池である。現在、製品化を進めている。
縦割りの組織ではなしえない、業務の垣根を越えた成功事例も増えてきた。ものづくりだけではなく、使う側の気持ちを酌み取れる社員教育・構造改革を行っていく。