日本の標準時の維持・通報を実施しているNICTは、今年7月1日(水)に3年ぶりとなる「うるう秒」を挿入する。
7月1日(水)午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に、「8時59分60秒」を挿入するもの。
「うるう秒」とは、原子時計に基づく時刻と天文時に基づく時刻との間でずれが生じるようになったため、原子時計に基づく時刻を天文時とのずれが0・9秒以内におさまるように調整を行う。
「うるう秒」の調整は1972年から数年に1回程度行われているが、平日に実施されるのは97年以来、約8年ぶり。
現在、ものづくりの現場では、時刻データが非常に重要な意味を持っている。
基幹システムや末端のPCはもちろん、装置の心臓部となるPLC、タイムスタンプが必要となる印字装置、画像検査装置など、あらゆる機器にカレンダタイマが内蔵され、時刻データを使った制御やトレーサビリティに関する記録などがなされている。
もともと個々の持っているカレンダ機能は多少のずれが発生してしまうので、上位システムの時刻と定期的に自動調整を行う機能を組み込んでいるケースも多いが、それぞれの時刻で同期がなされていない装置も多数稼働している。
ネットワークに接続されている機器は、「NTPサービス」と呼ばれるインターネット時刻配信システムで時刻のずれを補正している場合もあるものの、厳密に時刻管理をしている装置は注意が必要だ。
「うるう秒」の調整に関する最新の情報については、NICTのHP(http://www.nict.go.jp/)に掲載されている。