日刊新聞4紙(日経、日経産業、日刊工業、朝日)に掲載された記事をキーワードごとにデータベース化してカウントしているが、最近頻繁に登場する話題の言葉「IoT」とそれに関連する言葉を詳しく調べみた。
IoTは、「モノのインターネット」(Internet
of
Things)の3文字の略語になる。“IoT”というキーワードは、別図の通り2014年1~12月までの1年間で145本の記事が掲載されている。1カ月当たりにすると10本程度になるが、10月から掲載記事本数が増している。また、ウエアラブルは257本、エネルギーハーベストは17本、MEMSは54本となっている。
IoTの定義を、多くの記事で“特定の製品を指すのではなく、パソコンやスマートフォン(スマホ)、産業機器から、データを管理・分析するデータセンターに至るまで様々なモノがネットでつながる”という説明になっている。
IoTの背景には、次の3つの要素が挙げられる。1つは、インターネットサービスの利用形態が多様化し、ビッグデータと呼ばれる多様で膨大な量のデータが行き交うようになったこと。2つ目は、様々なセンサーや無線通信機器の低価格化と小型化が進んだことで、車、家電製品、工場内の産業機器、街中の自動販売機などあらゆるモノがネットでつながり、情報をやり取りできるようになったこと。3つ目は、エネルギーハーベスティングといわれる光や熱、振動など日常にあるエネルギーを微小な電力に変える技術の実用化である。蛍光灯の光やドアの振動、工場の廃熱などから生み出した電力を集め、センサーや無線通信デバイスなどの電源にできるようになったことである。それにより、電池の交換が不要になったり、配線が不要になったり、大きな充電機器が不要になり、それに伴って、コストや手間の削減につながった点にある。
それらの電源デバイスなどの関連市場は2012年に約700億円だったが、22年には5000億円超となる(14年9月19日付・日経産業)との見通しもある。また、IoTの世界市場規模は13年の1兆9000億ドルが、20年には7兆1000億ドルにまで拡大する見込みである(米・IDC13年10月発表)。
IoTは、最近ではITとハードウェアの融合による新しい製品パラダイムにまで市場のコンセプトが拡張したことでITの適用領域が拡大し、結果スパイラル的に市場規模も大きくなる。
(つづく)