日本の製造業にとって2015年は忙しくなりそうだ。今年は過去最高の受注量を抱える中小製造業も多く、”再始動のチャンス”が芽吹きつつある。春の訪れとともに、多くの方から良い知らせを聞けるのが今からとても楽しみだ。
最近は中小製造業の経営者から『海外顧客を開拓したい』と相談されることが多い。しかし、その姿はかつての海外工場進出とは趣が異なり”国内の製造能力の強化”と、海外も含めた”新規顧客獲得”を成長戦略の柱に据えている。その意味では”中小製造業のグローバル新戦略”と言って良いかもしれない。
そこで、次回からは『海外から見た日本の製造業』を通じて、中小製造業の本当の強みと課題を考えてみたい。日本の製造業を再点検・再発見し、このグローバル新戦略を成功させるヒントになれば幸いである。
高木俊郎(たかぎとしお)
株式会社アルファTKG社長。1953年長野市生まれ。
2014年3月まで株式会社アマダ専務取締役。電気通信大学時代からアジアを中心に海外を訪問して見聞を広め、77年にアマダ入社後も海外販売本部長や欧米の海外子会社の社長を務めながら、グローバルな観点から日本および世界の製造業を見てきた。