重電機器の生産が2014年度は4兆1339億円と、1997年度以来17年ぶりに4兆円を突破する見込みとなった。15年度も前年度比2・6%減少するものの、4兆円を維持し、重電復活を裏付ける。
日本電機工業会(JEMA)は、14年度と15年度の重電機器生産見通しをまとめた。
14年度は、4兆1339億円の前年度比11・8%増と2桁の伸びを確保し、6年連続で前年度を上回る。
機器別では、発電用原動機が輸出案件向けボイラ、蒸気タービンの生産が期末に向け大幅に増加し、8922億円(前年度比27・4%増)、回転電気機械が輸出向け蒸気タービン・ガスタービンの増加を受けて交流発電機が好調であったことや、工作機械、半導体製造装置、電子部品などの業界が好調なことを受けてサーボモータも増加し1兆479億円(同6・6%増)、静止電気機械器具は、受変電設備向け変圧器やパワーコンディショナーを主体とした電力変換装置が、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を背景に好調を維持し、8406億円(18・4%増)、開閉制御装置が低圧開閉器などを中心に増加し1兆3531億円(3・8%増)となる見込み。
このうち、産業用汎用電気機器は、汎用インバータが612億円(同8・9%減)となったものの、サーボモータが1005億円(21・2%増)、PLC(プログラマブルコントローラ)1120億円(同13・9%増)などとなり、産業用汎用電気機器全体では1兆4971億円(11・2%増)となる見込み。
15年度は、前年度比2・6%減の4兆284億円の見通しとなっているが、産業用汎用電気機器は同6・1%増の1兆5882億円とプラスを見込んでいる。
サーボモータ(5・3%増)、汎用インバータ(4・0%増)、PLC(4・9%増)など、いずれも5%前後の伸長の見通し。
重電機器の機器別でも、発電用原動機は前年度が好調であったことや、また受注未確定案件が多いことから、前年度比は66・7%と低い見通しだが、電力需要は世界的にも増加の見通しとなっており、アジアをはじめとした新興地域において旺盛な電力需要があることから、主力の火力発電設備は堅調に推移するなど今後、上振れすると見ている。
このほかの重電機器は、円安効果を背景に輸出向けが堅調を維持するとの見方に加え、国内向けも政府による各種政策の後押しの効果により、工作機械、半導体製造装置、電子部品を中心とした設備投資の増加が期待されることから、回転電気機械が1兆1111億円(6・0%増)、静止電気機械器具が8678億円(3・2%増)、開閉制御装置が1兆4542億円(7・5%増)と、いずれも好調を維持する見通し。