知能システム(東京都品川区南大井3―6―20、TEL03―5735―5345、大川丈男社長)の「セラピー用アザラシ型ロボット・パロ」は、シンガポール政府が主に認知症ケアを目的にした高齢者向け施設に対して全額補助を開始した。
パロは、産業技術総合研究所などが開発し、日本のほか、欧米、アジア、オセアニア、中東の30カ国以上でも販売し、約3500体(日本が約3分の2)が活用されている。シンガポールの厚生省所管で高齢者の包括ケアを担当するAICが、産総研と協力し、ADA(アルツハイマー病協会)の認知症高齢者向けのデイサービスセンターと、現地のナーシング・ホームにおいて、パロの臨床評価を実施し、特に認知症高齢者に対するセラピー効果を検証した。
ADAがパロを展示し、認知症者の「徘徊」「暴言・暴力などの問題行動」「うつ」「不安」などの低減、気分の向上、会話の活性化、また介護者の「介護負担の軽減」「介護の質の向上」などの臨床評価結果を発表した。