新コンソーシアム「IVI」6月めどに設立 ICTで情報と製造現場を連携 大手メーカー50社、中小200社の参加目指す

製造業を中心に、次世代につながるものづくりが国際的に志向される中で、日本でもこの動きに呼応した組織づくりが各方面で活発化しているが、企業、大学、公的研究機関などが集まり、新たなコンソーシアム「インダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブ(IVI)」が、今年6月をめどに設立される。設立発起人代表は法政大学西岡靖之教授で、初年度で大手メーカー50社、中小メーカー200社の参加を目指している。

第4次産業革命とも言われているドイツのインダストリー4・0や、米国のインダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)といった構想で、ICT(情報通信技術)を背景にサービスを含めた新しい製造業の取り組みがグローバルで進められている。あらゆるモノをネットワークでつなげるIoTやM2Mの動きとも絡み、製造業では生産の自動化やネットワーク化で、製造にかかわる各種情報と製造現場を連携させることで、さらなるコスト改善を図ろうとしている。

IVIでは、わが国の製造業が持つ世界最先端の製造技術と、現場を起点としたボトムアップな改善を、ICTを用いてさらに進化させることで日本的なリファレンス(参照)モデルを作り、それを手掛かりにデジタル化を進めることを目指している。

アウトプットとなる日本的ものづくりのリファレンスモデルについては、国際規格の提案なども視野に入れ、多くの海外企業も巻き込んで相互に高めあっていく新たな製造業革新でイニシアチブを取れるようにしていく。これにより工場をより細かな単位でその外部とつなぎ、働く人びとが、地域や時間を超えて「つながる工場」によって、中小製造業が国内にいながらも海外からの受注を受けられる体制を可能にしようとしている。また、全国各地の地域に根差したものづくりのネットワークを支援していく。

同時に大手製造業の現場力をさらに高めるための生産技術の水平展開や工場内、工場間の連携、海外へ向けた製品やインフラ輸出におけるアフターサービスのためのプラットフォーム化なども支援する。

さらに、製造業のサービス化、オープン化の流れの中で、わが国の稼ぐ力をさらに強化するために、それぞれの企業の固有技術をブラックボックス化し、ICTのセキュリティ強化を図る考え。

なお、設立賛同者は次の通り。

石隈轍(アズビル)▽井上達男(ダイフク)▽小田信二(横河電機)▽川野俊充(ベッコフオートメーション)▽楠和浩(三菱電機)▽熊谷博之(富士通)▽佐久間隆史(日産自動車)▽篠崎勉(日本電気)▽冨田浩治(安川電機)▽中野信一(川崎重工業)▽中村昌弘(レクサー・リサーチ)▽則竹茂年(豊田中央研究所)▽蓮野剛(中村留精密工業)▽羽田雅一(東洋ビジネスエンジニアリング)▽堀重卓司(富士通アドバンストエンジニアリング)▽堀水修(日立製作所)▽光行恵司(デンソー)▽森健一郎(オムロン)▽山本吉二(ジェイテクト)▽吉田寛子(パナソニック)▽渡邊嘉彦(矢崎総業)▽渡辺真也(IHI)▽小川紘一(東京大学シニアリサーチャー)▽岡田幸彦(筑波大学准教授)▽貝原俊也(神戸大学教授)▽越塚登(東京大学教授)▽中野冠(慶應義塾大学教授)▽日比野浩典(東京理科大学准教授)。

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