雷害対策機器メーカーの音羽電機工業(兵庫県尼崎市名神町3―7―18、TEL06―6429―3541、吉田修社長)は、風力発電用などの風車直撃雷検出装置を発売し、2月に行われた「Wind EXPO2015」で提案、高い注目を集めた。
発電用風車に落雷があった場合、羽根が破損し、発電能力が落ちるばかりか、そのまま稼働することによりさらに故障範囲が広がり、被害額が膨大になってしまうケースがあった。また、落雷自体を検知していない場合、風量の低下による発電量ダウンと、風車破損による発電量ダウンの区分けがつかず、実際に現地に技術者が赴いて目視で確認する必要があった。
特に風力発電では、人口密集地での発電はむずかしく、対応までに時間がかかってしまうケースが多いことから、こうした検出装置を導入することで、風車への落雷をいち早く検知して破損を早期に発見、被害を最小限に抑えることができる。
この装置は「ローコストで導入できる」ことが大きな特徴。従来の電流を測定するロゴスキーコイルよりも安価で、設置工事も容易なため、導入障壁が低い。取り付けはステンレスバンドで風車鉄塔に固定する。
機種は、要求によって3シリーズあり、導入コスト、内容を選択でき、例えば簡易接点出力型「LDW―45」は最もローコストに導入できる。接点出力を使い、落雷があった場合に停止信号を出力し、発電を停止することで、被害を最小限に抑えることに寄与する。
記録型「LDW―45E」は、センサと記録装置との組み合わせ。落雷日時をSDカードに記録し、後日解析することができる。
最も多機能の自動通報型「LDW―45AR」は、自動メール通報機能が付いており、落雷があった場合、指定されたメールアドレスに通知することができ、リアルタイムに状況がわかり、対策をとれる。記録型や自動通報型は別途、風車内に機器を設ける。
通常の100倍のエネルギーを持つ冬季雷でも検出可能で、風力発電設備における2回の冬季雷シーズンのフィールド試験を実施し、冬季雷への耐久性、検出精度は実証済み。