早稲田大学次世代ロボット研究機構(藤江正克教授・機構長)は13日、菊池製作所(東京都八王子市美山町2161―21、TEL042―651―6093、菊池功社長)との共同研究で、4本の腕と4輪のクローラで動く小型の無人作業ロボット「Octopus(オクトパス)」を開発。原発事故避難指示区域にある同社の福島県南相馬工場で披露した。
同製品は高さ1・7メートル、重さ700キログラムのロボットで、8本の手足を駆使するタコを連想させることからオクトパスと名付けられた。4輪のクローラで狭くて複雑な地形や瓦礫の山を移動し、大きな段差がある場合も、クローラと前2本の腕を使ってよじ登ることができる。
さらに、腕1本あたり200キログラムのものを持ちあげることができ、ファイバーレーザーやグラップルなどを装備可能。4本の腕を同時に使って重い瓦礫の除去や消火作業、分別処理など複雑な作業ができ、災害時の人命救助や原子力発電所の廃炉作業などにも活用が期待されている。
藤江教授は「菊池製作所の南相馬工場に当機構の研究室分室を設ける予定だ。ロボットで災害や超高齢社会の課題を打破し、福島県の産業基盤の創出に貢献したい」と話している。