2014年に創業40周年を迎えたキャプテンインダストリーズ(東京都江戸川区船堀4―8―8、TEL03―5674―1161、渡辺敏社長)。NC化の黎明期からオートメーション・高度化に取り組み、世界を知る技術商社として高い評価を受ける。市場環境が劇的に変化するなか、新たな挑戦に取り組んでいる。渡辺社長に聞いた。
‐御社概要について。
当社は工作機械の周辺機器の輸入商社で、昨年創業40周年を迎えた。1960年代のNC黎明期にアメリカで工作機械のセールスをしていた時、素晴らしい周辺機器に出会い、日本に持ち込めば必ずビジネスになると感じ、1974年に独立して会社を立ち上げた。
‐どんな製品を扱っているのか?
創業時から取り扱い始め、今日まで当社の経営の基本を支えているのが、40年の製品寿命を持つ摺動面用ベアリング「ターカイトB」だ。従来、金属で構成されていた工作機械の摺動面にPTFE、いわゆるテフロンを主体として砲金を充填した摺動材で、NC工作機械の動的特性、特に摩擦係数と振動の減衰性に革命的な変化をもたらし、大ヒットしている。
このほか工作機械のオートメーション、高度化に役立つ機器を中心に、欧米メーカの製品を取り扱っている。
例えば、ねじを使わずにワンタッチで取り付けられるスウェーデンの安全柵「Xガード」、ハイトルクでハイパワーのスイスのスピンドル「フィッシャー」、cBNとダイヤモンド工具専門の「ハフェリ」、ドイツのケーブル保護管「イグス」、イタリア製のサイクロン方式の集塵機「ガリレオ」など、世界の一流メーカと長い付き合いを続けている。
‐日本市場と御社の現状について。
これまでの40年間は成長期だったが、これからは確実に難しくなる。今までのやり方を変え、新しいチャレンジを実践していく。
新商材として、これまで扱っていなかったソフトウェアの販売を開始した。ヘキサゴンメトロロジ社の3次元計測ソフト「Hexagon PC―DMIS NC Gage」は、工作機械の中に計測機能を持たせるもので、まだほとんど実装されていない。加工前、中仕上げ後、最終仕上げ後のそれぞれの段階で公差とのズレを計測できる。加工精度の向上や品質管理に効果的で、これをいち早く普及させたい。
営業面でも新しい販路、特に工具商などエンドユーザーに近い代理店を開拓していく。そのための組織として4月1日に「さいたま出張所(さいたま市大宮区桜木町2―278―2、TEL048―640―4171)」を開設した。エンドユーザー向けの新商材のバイス「ZERO CLAMP」を準備し、販路拡大に力を入れていく。
‐これからについて。
品質や要求が厳しい日本市場で売れれば、世界で通用する。当社は日本とサプライヤの橋渡し役として、ユーザーの声を正しく伝え、日本市場でも実績を挙げていかなければならない。これまでの40年で会社の形ができた。次の40年もチャレンジを続け、オートメーションにおいて今後も世界のリーダーシップを発揮して、日本のものづくりを引っ張っていきたい。