ロームは、大電力(高電圧×大電流)を扱うインバータやサーボなどの産業機器で採用が進むSiC―MOSFET駆動用AC/DCコンバータ制御IC「BD7682FJ―LB」=写真=を開発。SiC―MOSFET搭載AC/DCコンバータを容易に実現できるようになる。サンプルは8月から出荷開始する予定だ。
近年、高電圧を扱う産業機器系のアプリケーションでも省エネと高電圧に対応したパワー半導体や電源ICの採用が進み、特にSiCパワー半導体に期待が高まっている。またAC/DCコンバータではSiC―MOSFETの性能を引き出せる制御ICが存在せず、電力インフラが不安定な地域での使用や小型化、省電力化に大きな課題を抱えていた。それに対し、同社は新たに最先端のSiCパワー半導体の性能を最大限に引き出すAC/DCコンバータ制御ICを開発した。
同製品は、一般的なSiC―MOSFET搭載のAC/DCコンバータに比べて最大6%の電力の高効率化を実現。50Wクラスの電源時には、放熱用部品の削減など劇的な省電力化、小型化が可能になる。さらに一般の産業機器で使われるAC400Vはもちろん、高電圧AC690Vでも動作可能な保護機能を多数搭載し、多くの産業機器の信頼性向上にも役立つとしている。