国内製造業での節電志向が電気料金の値上げによって、さらに加速している。特に工場・大規模施設などの高天井照明の省エネ化が進んできているが、ここにきて「無電極ランプ」とよばれるインダクションランプが脚光を浴びている。
従来、工場などの高天井用照明としては、「水銀灯」「メタルハライド」が主流で、最近になって「LED」が増えてきた。これらの照明器具は家庭用照明と異なり、容易に交換できない場所に設置されるため、省エネ効果はもちろん、交換頻度が激減するというメリットも大きい。
さらに水俣条約の締結により、「水銀灯」と呼ばれる「高圧水銀蒸気ランプ」が2020年以降、製造と輸出入が禁止されるため、新型照明に対する期待は日増しに高まっている。
無電極ランプの特徴としては、「明るく省エネができる」ということが挙げられる。単純な消費電力としての省エネ性能では、LEDと同等か数パーセント効率が良い程度と言われているが、同じワット数の照明でも、無電極ランプの方が明るく感じるといわれている。
また、光が広がりやすく、影ができにくいことから、高天井をはじめとした、広い空間を照らすのに向いており、人が作業を行う製造現場などで特に評価が高い。
さらに、自然な光源の尺度として使われる「Ra(演色性)」も高い。太陽光を100とした場合、一般的な製品で、水銀灯は40、LEDは75、無電極ランプは80と言われており、より自然に見える環境下で業務ができる。目の疲れの原因といわれるブルーライト(高エネルギー可視光線)も少なく、長時間にわたる作業工程では特にメリットが大きい。
照明としての基本性能も高く、平均寿命約10万時間(24時間点灯で11年以上)と長期使用が可能。発熱量も低いため、放熱用の金属フィンや、放熱ファンなどの部品も不要で、照明システム全体として期待寿命が長い。大型の照明になるほど、LEDなどの方式と比較して軽く作ることもでき、作業性・安全性も確保できる。
国内では、エコ未来(水野登代表取締役)と、ELXライティングテクノロジージャパン(木幡憲一代表取締役)が業務提携し、無電極ランプの普及に取り組んでいる。
ELXライティングは灯具筺体、電子安定器までを自社で一貫生産。金型から製造するほど内製にこだわっており、製品の5年保証を実現している。実際にUDトラックス、ブリヂストンなど大手製造業でも導入が進んでおり、性能面はもちろん、初期導入費用も採用の決め手になったという。無電極ランプとLED照明、水銀灯の比較は同社HPで公開されている。
公式サイト : http://www.ecomirai.co.jp/