産業用PCで世界シェアNo1のアドバンテック(東京都台東区浅草6―16―3、TEL03―6802―1021、マイク小池プレジデント)は、Webベースで動作するHMI/SCADAソフトウェアを開発し、日本市場でも販売を開始、無料セミナーも実施する。
従来、製造現場で活用される装置制御は、安定性とソフトウェア技術者の慣れから「PLC」と「産業用タッチパネル」の組み合わせで設計されることが多かった。特に日本における装置制御では、過去資産の流用や、過去の稼働実績、装置を発注する工場からの「標準使用書」の制約から、産業用PCや、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)と呼ばれる産業用制御システムの活用は、積極的にされてこなかった。
ところが近年、PA(プロセスオートメーション)とFA(ファクトリーオートメーション)の融合が進み、PA現場で実績がある技術がFA現場で活用される事例が増えてきている。特に「IoT(モノのインターネット)」や、「インダストリー4・0」といった、現場の情報を活用する動きが盛んになってきたため、PLCでラダープログラムを組んで制御するだけではなく、データ処理、データ分析の重要性が増しており、現場でそのデータを視覚的に活用するニーズが高まっている。
また、業界でも技術を持った人材不足が深刻になってきており、大学などで学ぶ汎用的なプログラミング技術が活用できるSCADAのような制御機器が注目を集めている。
今回、同社が発売する製品は、完全Webベースで構築することが可能なため、大がかりなサーバーを構築せずとも、ネットワーク環境があればすぐにでも導入することができる。また、HTML5ベースでの「ダッシュボード(様々なデータをグラフィカルにまとめて表示すること)開発機能」も組み込んでおり、視覚的にわかりやすい表示を簡単に開発することができる。
そのため、現場側では、ハードを選ばず、タブレット端末などを無線LANで接続し、見たい設備の状況を手元モニタリングでき、場所の制約からも解放される。
また、安定した通信に不安がある場合でも、従来通りサーバーに製品を導入し、ローカルに有線で活用することもできる。さらに、日本製PLCとの接続も容易にできるよう、各社PLC用通信プロトコルを用意。ON/OFF制御や、モーター制御など、メカニカルな動作は従来通りラダープログラムを用い、実績のあるPLCで制御し、SCADAが得意とするモニタリング、データ処理だけを上位側で行うなど、適材適所の使い方ができる仕様になっている。
同社はIoTアプリケーションやウィジェット(スマートフォンなどで普及している単機能の小さなソフト)を開発するためのオープンインターフェイスも提供し、システムインテグレータの様々なニーズを満たしていくとしている。
同社では6月15日(大阪)、6月17日(東京)で、「アドバンテックWeb Access SCADA IoT ソリューションの実現」と題し、無料セミナーを予定している。
詳細は、同社HPで近日公開予定。
http://www2.advantech.co.jp/news/mail/2015iA/WebAccess_eDM_jp