大成建設とサンコーシャ(東京都品川区大崎4―3―8、TEL03―3491―7181、伊藤眞義社長)は、エビススバルビルで実施工した「部屋単位で落雷被害を防ぐ雷電磁界バリア」について、その有効性を確認した。
これまでの雷電磁界バリアは建物全体に施す方式だったが、今回は重要な電気機器がある部屋に限って導入した。壁と天井、床面に一般的な建築部材を適切な幅で格子状に配置してバリアを設置することで、電流を分散させて発生する電磁界を減衰。さらに発生した電磁界同士で打ち消し合うことでバリア効果を高めている。導入後、落雷時の雷電磁界を模した電磁界を発生させてバリア内外での状況を測定し、バリア内の減衰量から電磁界バリアの有効性を確認。また減衰量が事前想定数値と同等になったことから「建物内雷電磁界環境シミュレーションシステム」が効果的に機能することも合わせて実証した。
大成建設では、データセンターやビル内のサーバールームなどに同システムを雷保護対策として積極的に提案していくとしている。