横河電機 フィールド無線用電磁弁操作モジュールを販売開始 無線で遠隔から遮断操作

横河電機は、地震など、プラント配管の弁を緊急に遮断する事態が発生した際に、フィールド無線規格ISA100Wirelessの無線通信で遠隔から遮断操作を行える「フィールド無線用電磁弁操作モジュールFN910」を3日から販売開始した。価格はモジュール本体52万円(電池、アンテナは別売)。2015年度1000台の販売を計画。

新モジュールは、無線通信で遠隔から緊急遮断用の空気式バルブアクチュエータ(バルブ駆動装置)を動作させる。上位システムとの中継役を果たすアクセスポイントから無線信号を受け取り、電磁弁を操作して空気式バルブアクチュエータを動作させ、遮断弁を開閉する。同時に、空気式バルブアクチュエータの動作情報を上位システムに送る役目も果たす。

また、地震の際に外部電源の異常が発生した場合でも、内蔵電池で電磁弁を操作し、空気式バルブアクチュエータを動作でき、通常の使用で10年間交換が不要。

さらに、地震発生時には完全に二重化された信頼性の高い高速通信を確保でき、中央監視室などに設置された上位システムから弁の緊急遮断の指示を発した後、10秒以内に閉止動作を完了できる。

製油所や化学プラントで求められる本質安全防爆規格(本体部分Ex
ia
IIB
T4)に対応している。システム構成は、フィールド無線用通信モジュール(同社製FN110)、ラッチング型電磁弁(推奨の本質安全防爆対応品)、リミットスイッチ(推奨の防爆対応品)。

石油、石油化学、化学などのプラントで使用される浮き屋根式屋外タンクの雨水排水管に設置する遮断弁の遠隔操作など。

新モジュールは地震および津波への対策が進められるなかで、石油などを貯蔵する浮き屋根式の屋外タンクに、地震の揺れで屋根の上に漏れ出した貯蔵物が雨水排水管を通じてタンク外に流れ出すことを防止する遮断弁を設置することが定められたことに対応し、この弁を閉める機器を遠隔で操作できるようになる。

今後、タンクに貯蔵物を送る「受け入れ配管」、貯蔵物を出す「払い出し配管」についても、すでに設置されている弁をモータ駆動の電動弁ではなく空気弁に変更することが検討されていることから、同社ではこの空気弁についても無線で遠隔操作できる機器を開発、提供していく方針。

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