FA関連の電機5社(三菱電機、オムロン、富士電機、安川電機、パナソニックデバイスSUNX)の2015年3月期決算が出そろい、過去最高益の更新や前年比大幅売り上げ増など好調さが目立つ結果となった。16年3月期は、各社ともに海外での生産力と販売を強化し、連続の増収増益を目指す。
2015年3月期は、5社すべてが増収増益を達成。オムロンは2期連続で過去最高の業績を更新した。安川電機とパナソニックデバイスSUNXも過去最高の売上高・純利益を記録。純利益は、三菱電機の前年同期比52・9%増を筆頭に、安川電機の同46・3%増、富士電機の同42・9%増など、全社が30%を上回った。
特に中国向けのスマートフォン、自動車向け設備が全体をけん引。「北米・中国などの新車販売市場が好調」(三菱電機)、「ACサーボは中国を中心にスマートフォン、自動車関連の旺盛な需要を背景に国内外ともに好調」(安川電機)、「中国での売上高は、スマートフォン製造設備関連向けの販売拡大など102億円で過去最高」(パナソニックデバイスSUNX)だった。
16年3月期は、各社とも海外事業を柱に展開する。
オムロンは、20年の売上高1兆円、営業利益率15%達成に向け、今期は売上高9000億円・営業利益900億円を掲げる。制御機器事業は「最強化」をキーワードに事業を加速。投資も研究開発費530億円、設備投資480億円と積極的に行う。
富士電機は、M&Aや地産地消を軸に海外事業の拡大を目指す。パワエレ機器では、インバータ・サーボの米国・インドでの生産をスタート。鉄道車両事業も米国で自社生産。アジア・米国向けのUPS拡販を実施。さらにドライブ、パワーサプライ事業の利益改革を重点施策としている。
安川電機は、売上高と営業利益の過去最高を計画。既存事業では、ACサーボΣ―7を欧米、アジア市場に投入。国内と中国では切り替えを加速していくとともに、マトリクスコンバータU1000のグローバル展開を開始。さらにロボット事業の拡大を目指し、国内1カ所、海外6カ所のロボットセンタの新設を予定している。加えてグローバル生産体制も強化して、ロボットの月産3000台体制の確立、中国瀋陽工場でのΣ―7の生産増強を行う。
パナソニックデバイスSUNXは、中国市場で120億円を目指す。蘇州第3工場が15年下期に生産を開始するほか、現地適合商品の強化や販売・サービス拠点を拡充。また、2月に設立したタイの現地法人を拠点として、新興国での日系企業向けの販売を強化していく。