安川電機は、2016年度から25年度までの新長期経営計画「2025年ビジョン」を策定した。今年度で終了する「2015年ビジョン」に続く10年間の長期計画で、売上高15年度比2倍以上(15年度目標4350億円)、営業利益1000億円以上(同365億円)、営業利益率10%以上(同8・4%)、配当性向20年までに段階的に30%まで引き上げる(同22%)、ROE13%以上(同13%)の数値目標を掲げている。
同社は創立100周年に向けて掲げた「2015年ビジョン」が今年度で終了することから、「コア技術の進化とオープンイノベーションの融合により、社会に対し新たな価値を提供する」ことを目指そうとしている。
目指す姿として、「Respect Life」(100年の技術の蓄積を生かし、生活の質向上と持続可能な社会の実現に貢献する)、「Empower Innovation」(新しい技術・領域・目標に向かい、人々の心に『わくわく』を届ける)、「Deliver Result」(継続的な事業遂行力の向上により、ステークホルダーに確実な成果を届ける)の三つを掲げ、三つの事業領域に取り組もうとしている。
具体的には、「メカトロニクス」(世界最先端の技術とオープンイノベーションの活用により、新たな産業自動化革命を目指す)、「クリーンパワー」(安全で安心して暮らせる持続可能な社会を目指す)、「ヒューマトロニクス」(医療・福祉分野へのメカトロニクス技術の応用で、人間の能力がより生かされる社会を目指す)。
このための重点方策として、(1)既存コア事業で世界一を追求(2)産業自動化革命の実現(3)創・蓄・活エネ事業の確立(4)医療・福祉市場への挑戦(5)グローバル経営の実現―の5点で取り組む。
中でも産業自動化革命の実現では、自動化が難しい工程に世界最先端の技術開発で新しいソリューションを提供するとともに、オープンイノベーションの拡大、自動化コンポーネントとICT(情報制御)技術などの融合で、相互に「見える」「つながる」装置の開発を進める。
さらに、エネルギー事業で、太陽光や風力発電などクリーンパワーのグローバル展開、電気駆動の新市場開拓、電力最適活用に向けた蓄電システムの普及促進などで展開を強める。
医療・福祉市場へは、アライアンスや産学官連携、オープンイノベーションなどの活用で人間(ヒューマン)とメカトロニクスを合わせたヒューマトロニクス機器に挑戦し、生活の質を高める。