半導体ウエハやプリント基板、自動車部品などの観察・寸法測定に使われる測定顕微鏡。オリンパスは昨年11月に、13年ぶりとなる新製品「STM7シリーズ」を発表し、順調に販売台数を伸ばしている。300ミリウエハをまるまる測定できる300ミリ×300ミリの巨大ステージを持ち、「従来測定できなかった長寸法が測定できる」と高く評価されている。同社の科学開発本部の掛水孝彦チームリーダーと技術開発本部の小林陽介氏に詳細を聞いた。
–どんな製品なのか
小林氏
今回のSTMシリーズは、測定顕微鏡として13年ぶりの新製品。もっと大きなステージが欲しいという声に応え、300ミリの半導体ウエハも収まる300ミリ×300ミリの巨大な正方形ステージを搭載したモデルを新開発した。当社も他社もこれまでは150ミリ×300ミリといった長方形のものが多く、大きめのワークだと何度も向きを変えて測らなければならなかった。
掛水氏
実際に使う技術者としては、一回ステージに置いたワークにむやみに触りたくないのが本音だ。少し向きを変えただけで測定の正確性を損なってしまう恐れがある。設計でも品質管理でもそれは変わらない。正しく測り、品質を保つためにも固定したら最後まで測りたい願望がある。
発売から半年、販売状況は
小林氏
非常に好調だ。特に中国向けが良く、「大は小を兼ねる」と高く評価してくれている。スマートフォンやタブレット用パネルの品質検査で、1回の検査で何枚も載せられるので効率的になったと喜ばれている。
掛水氏
STM7はアダプタで測定対物レンズと金属対物レンズを切り替えることができる。測定顕微鏡と光学顕微鏡の両方として使え、その点を評価してくれる人も多い。台座に石定盤を採用、非常に安定し、正確な測定にも役立っている。
小林氏
ワークの向きを変えなくて良い。固定したら測るだけ。測定顕微鏡と光学顕微鏡の1台2役など、ユーザにとって導入メリットが一目瞭然。分かりやすいのが良いのだと思う。
–これからの展開は
小林氏
測定顕微鏡は毎日何時間も使うものだからこそ、ちょっとした改善や悩みを解消することが大事。STM7はそれを重視し、とても使いやすく、効率化に役立つ製品になっている。ぜひ気軽に試して欲しい。