製造業においても「IoT(モノのインターネット)」「M2M(機器間通信)」という言葉が広く使われるようになってきた。では、実際に製造業ではどのようなところで使われ、どんなメリットがあるのだろうか。
製造業におけるIoT/M2Mの活用は大きく二つに分けることができる。自社のビジネスとして、「装置・機器メーカーが活用するケース」と、自社内のモノづくりの管理ツールとして、「製造工場を持つメーカー自身が活用するケース」である。
ものづくりメーカーでもあり、ITインテグレーターでもあるNECはこの両方の活用例に対応した提案で成果を挙げている。
前者の代表例としては、大手産業機械メーカーの装置に各種センサをつけて消耗品の状況をデータ化し、予防保全を行う場合だ。エンドユーザーは稼働率の向上を実現でき、機械メーカーも最適なタイミングで部品交換の提案ができ、保守部品の売り上げ増加が見込める。また後者の代表例として、大手プラントメーカーの設備故障予知の監視をしている場合で、プラントに設置されている大量のセンサ情報をリアルタイムに分析し、故障する前に設備の不健全な状況を検知/通知することで、事故の防止を図ろうというもの。
どちらのケースでも、データの活用には、「データ自体の数値化」「データの解析」など多くのノウハウが必要なのも事実だ。
自身がメーカーでもあるNECグループでは、「ものづくり共創プログラム」をスタートさせ、NECが持つ生産革新やサプライチェーン改革のノウハウを提供し、日本の製造業をサポートする取り組みを強めている。
諸外国に比べ、ITの活用が遅れているといわれる日本の製造業でも、情報をつなぎ、活用することで、世界屈指の現場力をさらに発揮した競争力の強化につながる。