IFR(国際ロボット連盟)によると、2014年の世界の産業用ロボットの購入台数は初めて20万台を突破して、22万5000台となり、13年比23%増加した。中でも中国の購入台数は世界の4分の1を占め、数年後には日本を抜いて世界一の産業用ロボット保有国になる見込みだ。
国・地域別では、中国が前年比54%増の5万6000台を購入し、需要の25%を占めて2年連続で世界ナンバーワンの巨大市場となった。注目すべきなのは、中国のローカルメーカーの成長で、購入台数のうち、1万5000台がローカルメーカーの製品が占めた。
2位は韓国の3万9000台で、次いで日本、アメリカ、ドイツの順となり、中韓日米独の5カ国で世界の75%を占めた。
国ごとの産業用ロボット保有台数では、日本が約33万台で世界第1位。2位はアメリカの約24万台、韓国が約19万5000台、中国が約19万台、ドイツが18万8000台と続いている。
現在、中国の従業員1万人に対する産業用ロボットの導入数は30台で、主要国と比べても日本(323台)、ドイツ(282台)の10分の1、アメリカ(152台)の5分の1と少ない。まだ導入の余地が多く、急拡大が確実な状況と言える。17年にはアメリカ、EUの保有台数を抜き、世界2位になると予測されている。
IFRによると、今後の産業用ロボット市場は、インダストリー4.0を好材料として17年度までは2桁成長が続くとしている。
引き続き自動車産業が中心だが、エレクトロニクス業界で工程の自動化や新製品の製造技術として産業用ロボットの活用が進む。また、その流れはプラスチックやゴム産業、化粧品や飲食品製造業へ波及すると見られている。
傾向としては、製造現場における人とロボットの協調、コンシューマ製品への拡大とその対応、製品サイクルの短期化と多品種化に伴う柔軟な生産ライン構築、ロボットシステムの高度化、さらに中小メーカーによる単機能や低価格のロボットの登場などがあり、販売競争がさらに激しくなっていきそうだ。