各種自動装置などに採用されるアクチュエータの選択肢が増えている。従来は、ボールネジとステージ、モータを組み合わせてメカ設計をするのが主流であったが、近年は「シャフトモータ」と呼ばれる製品の普及が進んできた。
日本パルスモーター(東京都文京区本郷2―16―13、TEL03―3813―8841、増田松敏社長)では、「シャフトモータ」の中でも「コアレスタイプ」のシャフトモータを開発、販売し市場の支持を得ている。
シャフトモータはリニアサーボモータの一種。ステンレスパイプに円筒状の磁石を入れたシャフト軸と、それを取り囲むようにした円筒形のコイル部(可動子)で構成される。コイルに電流が流れると磁界が発生し、推力が生まれる。
突出した特徴としては、「速度安定性」「静止時の振動が少ない」「高速整定、高レスポンス」が挙げられる。特に速度安定性については100mm/Sの速度でプラスマイナス0・006%と極めて安定しており、高速度スキャナ、レーザー加工など安定性が製品性能に直接影響する用途に適している。また、サーボロック時の振動が少なく、ピエゾ素子の代替、プローバ、電子顕微鏡ステージなどの用途にも採用が進んでいる。
また、原理的にバックラッシュ(精度誤差)が生じないため、高速動作をしながらも、ナノレベルでの位置決めが可能。低発塵であるばかりか、静粛性、耐環境性にも優れており、半導体製造から金属加工まで広い用途に対応する。
さらに構造がシンプルなため、組み付けが容易だ。ボールネジの場合は芯出し精度が寿命に影響し、フラット型リニアモータでは可動子と固定子の取り付けギャップの均一性が精度や推力ムラに影響するため、高精度な組み付けが必要だが、コアレスシャフトモータの場合はシャフトと可動子間のギャップ範囲内で芯出しを行えば大丈夫だ。メンテナンスフリーなため、設備保全担当者にも大きなメリットになる。アンプはパナソニック製MINAS
A5Lシリーズなどが使える。原理、採用事例は同社HPで確認ができる。
(http://www.pulsemotor.com/products/feature/shaftmotor.html)