安川電機の南善勝常務執行役員ロボット事業部長は、愛知県みよし市に開設した「中部ロボットセンタ」の開所式で記者会見を行い、中部地区でのロボット事業の強化策などについて語った。
-中部ロボットセンタの位置づけは。
南常務
日本で3番目のロボットセンタになる。中部地区は自動車産業が主力で、20年以上前からロボットを導入して、顧客はロボットについて良く知っている。自動車産業以外の業界の方にセンタに来て、ロボットの進化について理解し、導入を検討して欲しい。
また、生産技術の自動化があまり進んでいない業界向けに、システムインテグレータ(SI)を教育できる施設を備えている。関東、九州のロボットセンタと合わせて全国でSIを育てていきたい。
-どんな業界の来場者を見込んでいるのか。
南常務
関東、九州のセンタには、今までロボットを使ったことがない企業が多数訪れている。愛知は航空機産業が盛んで、航空機部材の塗装、カーボンファイバーの切断などにもロボットは有効だ。酒造メーカーや医薬品メーカーではロボットを使った製品の箱詰めなども考えられる。工作機械とロボットを組み合わせたシステムなども提案したい。
-他のロボットメーカーとの競合は。
南常務
この地区には自動車メーカー系列のロボットメーカーがあり、ハンドルなど自動車部品の組み立てに特化したロボットが多く、当社とは競合しない。他の大手ロボットメーカーとも海外では競合しているが、国内ではあまり競合していない。
-現在の中部地区での取引先の数は。
南常務
約100社と取引している。関東、西部はそれぞれ150社ぐらい持っているので、中部も増やしたい。物流関係も狙っている。ネット通販では、送り先仕分けロボットが必要になってくると思う。
-中部地区での、ロボット出荷台数は。
南常務
2014年度の国内外の出荷台数は約2万5000台だったが、15年度は3万台を目標にしている。そのうち中部地区では約3000台を見込んでいる。
-今後のロボット事業の展開は。
南常務
現在、世界32カ所にあるロボットセンタを、今年中に38カ所に増やし、2018年に50カ所ぐらいまで拡充したい。国内では関西地区を考えている。また、10年後ぐらいにはロボット事業の売り上げを現在の2倍ぐらいにしたい。