第63回電設工業展JECA FAIR 2015 電設技術が未来を創る~人を支えるスマート技術~

国内最大の電気設備機器・資材・工具などの関連総合展示会である「JECA FAIR2015 第63回電設工業展」(主催=日本電設工業協会)が、5月27日から3日間、東京ビッグサイト(西1、2ホール、アトリウム)で開かれた。出展者数は220社、小間数663と、社数では13年に次ぐ過去2番目、小間数では13年を抜いて過去最大規模となった。出展の内訳は、国内から212社、海外から8社で、海外の内訳は韓国5社、台湾5社、タイ、英国が各1社。また、新規出展が34社となっている。

■低炭素社会の実現に貢献
同展は毎年、東京と大阪で交互に開催しており、今年で63回目。電気設備機器・資材・工具などと、その流通・施工に関する日本最大級の総合展示会。

今回の展示会テーマは「電設技術が未来を創る~人を支えるスマート技術~」。

経済・産業活動や国民生活を支える社会インフラに極めて重要なライフラインである電気設備の安心、安全かつ効率的な提供を担っている電設業界では、さらなる高品質でバランスの取れたいわゆる「ベストミックスエネルギー」の構築利用に向けて、これからの低炭素社会の実現に大きく貢献できる業界として注目を集め期待されている。

こうした日々進歩する電設技術が現在の暮らしをよりスマートな生活環境へと導き、次世代が明るく飛躍するためのつなぎ役としての貢献が期待されている。

電気設備機器の技術はめまぐるしい進歩を遂げているが、とりわけ東日本大震災の発生以降は、日本全体でエネルギー問題への関心が高まり、あらゆる面で「省エネ・新エネ・蓄エネ・創エネ」への取り組みが活発化している。中でも再生可能エネルギー活用は、買い取り制度の導入もあって急速な盛り上がりで推移している。同時に、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)などの普及の後押しにもつながり、蓄電池や充電スタンド、パワーコンディショナーといった周辺産業への波及効果を生み出している。

省エネでは、消費エネルギーの見える化、エネルギー消費の平準化、加えて電気設備のリニューアル化による効率化などが複合的に組み合わされた形で取り組まれている。

国際的には地球温暖化防止に向けたCO2削減へ数値目標が設定され、この達成に向けて、インフラの再構築と並行する形でビルや施設のリニューアル化が進んでいる。電気設備はこれを実現するための大きな鍵を握っているだけに、各方面から技術的な注目を集めている。

出展各社の意気込みも例年以上に高く、昨年の大阪開催に次いで、東京も過去最大規模。今回の出展製品でも、LED関連、太陽光、風力、電気自動車関連、スマートグリッドといった、新エネ・省エネ関係での展示が目立った。

■7つのゾーンで構成
展示会場も、A~Gまで大きく7つのゾーンに製品別に分けている。

Aゾーンが電線・ケーブル類、Bゾーンが鋼製電線管・電路管(鋼製)類・合成樹脂製電線管・電路材(樹脂製他)類・配管配線支持材・配線材料・プルボックス・ダクト・ラック類・架線器材・外線接地材・地中線材、Cゾーンが配線器具類・照明器具・照明制御装置、Dゾーンが受配電盤類・監視制御装置・電力関連機器材・制御機器、Eゾーンが直流電源装置・無停電電源装置・電力貯蔵関連装置、自家発電装置、新エネルギー関係、Fゾーンが通信・情報設備・設備ソフトウェア、火災報知設備機器・防犯防災設備機器、避雷設備、Gゾーンが機械工具、計測器などとなっている。

展示だけではアピールしきれない出展製品や最新技術、企業紹介などを1社30分間で説明する「出展者によるプレゼンテーションセミナー」が3日間行われ、現在21社24講演がアトリウムで開催された。

同展の大きな併催企画である「製品コンクール」も今年で54回目を迎える。今回は55社が参加を申し込んでおり、各社が製品力・技術力を競う。優秀製品には、国土交通大臣賞、経済産業大臣賞、環境大臣賞などの賞が授与された。

■入職・企業案内もアピール
「リクルーティングフェア2015」として、電設設備業界の魅力や社会的役割、技術社員の働き方などを紹介する「就職情報ポータルサイト」からの発信や、「電気設備業界プロモーションコーナー」で若年技術者によるパネルディスカッションを開催し、電気設備業界の魅力を語るとともに、会員企業への入職案内や企業案内リーフレットを設置し、アピールした。

「JECA取組みコーナー」では、各都道府県協会や関係団体の活動成果や取り組みをパネルで紹介した。

そのほか、約2万社のメーカー、ディーラー会社が掲載された「電設資材電子カタログ(JECAMEC)体験コーナー」、東日本大震災地の復興状況をパネルで紹介すると共に、東北の物産品を販売する「東北復興支援コーナー」も設けている。なお、会場内のスタンプポイントを回ると豪華景品が当たる「お楽しみ抽選コーナー」も設置された。

また、特別講演会が27日午後1時30分から行われ、スポーツ評論家の玉木正之氏が「2020東京オリンピック・パラリンピックで日本の何が変わるのか? ~高度経済成長時代の1964東京五輪と何が違うのか?」と題して国際会議場7階で行われた

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