寸法測定や形状測定など、測定作業は下準備が大変。ピント合わせやワークの整列など手間がかかる。ミツトヨ(川崎市高津区坂戸1-20-1、TEL044-813-8201、中川徹社長)の2次元画像測定器「クイックイメージ」シリーズは、ステージにワークを置いてワンクリックするだけ。面倒な準備がいらず、昨年秋の発売開始以来、問い合わせが殺到している。
正確な測定には、正しい下準備が必要とされる。測定前にはピント合わせやワークの整列、平行出しなど細やかで面倒な作業が多く、そこにストレスを感じているオペレータは多数存在する。それを解決したのがクイックイメージシリーズだ。
「ワークの向きが違っていたり、ピントがずれていると正しい結果が得られない。測定の準備は手間がかかって面倒だという声が多い。クイックイメージシリーズなら準備作業を装置側で吸収して省略できる」(営業本部営業技術部・石戸谷孝雄部長)。
最大22ミリの焦点深度で段差のあるワークや円筒加工物などでも細かなピント調節が不要。誰でもピントが合わせやすく、個人誤差が発生しにくい。
広い視野とクラス最高レベルの高精度を持ち、視野内にワークを置けば装置が位置と角度を自動で認識して測定が完了。「毎回、測るたびに座標を設定する必要がない。位置のズレやワークが傾いた状態であっても問題ない」(石戸谷部長)。
さらに、複数個のワークがバラバラに並んでいてもワンクリックで一括測定が可能。整列や固定用治具は一切必要ない。
自動車部品や電子部品を中心に人気が高く、観察と測定が1台でできる利便性が高く評価されている。
「通常、観察と測定はそれぞれに顕微鏡と測長計が必要だが、クイックイメージシリーズなら1台で両方カバーできる」と石戸谷部長。外観検査やマスタ検査、色味観察などで重宝されているという。
ほんの十数年前は、測定機は仕事を生まないと言われていたが、今は時代が変わった。品質管理が厳しくなり、定量検査による数値データで品質を証明するのが当たり前。測定を軽視する企業には仕事を出さないという大手企業も多く、測定に対するニーズは高まるばかりだ。
石戸谷部長は「だからこそ作業効率を上げる必要がある。クイックイメージシリーズは、誰でも簡単に、バラつきなく正確な測定ができる。おかげさまで多くのユーザーの声をいただいている。これを製品改良に反映し、オペレータの苦痛度を低減し、効率化に貢献していきたい」としている。