いま、電気工事業界では少子化や技術者の高齢化によって技術者が足りず、受注案件をさばけない、工期が長期化するなどの実害が出ている。それに対する解決策として、圧倒的に施工しやすい電力幹線システムとして共同カイテック(東京都渋谷区東3―24―12、TEL03―3409―2331、吉田建社長)の「バスダクト」が話題を集めている。
バスダクトはケーブルと同じ役割を果たす電力幹線システム。銅やアルミなど帯状の導体を絶縁体で覆い、それを鉄やアルミ製のケースに収めたユニットをつないで1本の電力幹線として使う。
ケーブルより簡単に作業でき、設置も省スペース。同社バスダクト事業部技術部・岩田実課長によると「1案件あたりの作業時間が短くて済み、いくつもの現場を掛け持つことができる。また誰でも簡単に『i1』作業ができ、人手不足の解決にも役立つ」という。
具体的には、電力幹線のケーブルは太くて被膜が厚く、非常に重い。建物が完成した後に引っ張って配線し、分岐させる際は被膜を剥ぐなど専門的な技術が必要となる。
それに対しバスダクトは、プレハブ工法でケーブルより軽いユニットを組み合わせていくだけ。特別な知識や専門的な技術『i2』はいらず、誰でも作業できる。
建築工事の進捗と並行して作業でき、工期の短縮にも有効。分岐も専用ユニットを取り付けるだけ。工場で生産品目が変わってライン変更があった場合も分岐する場所を変えるだけで対応可能だ。
「電力幹線は建物にとって一番大事なインフラ。バスダクトは頑丈で、水や油、塵や埃が舞う厳しい環境下でも問題ない。どんな状況でも途切れず、安定して電力を供給できる」(岩田課長)。
今後に向けて岩田課長は「電気工事業界にとって人手不足は早急に解決しなければならない問題。バスダクトは誰でも簡単・短時間で施工ができる。この利便性を多くの人に感じてもらいたい」と話している。