サンワテクノス(山本勢社長)は、今年度が第8次中期経営計画「JUMP1200」の最終年度に当たることから、営業体制の強化へ営業本部中心に組織の新設・統合を行っている。
具体的には、エンジニアリング事業強化へ「産業ソリューション統括部」と「エンジニアリング部」を設けるとともに、特定市場攻略の一環として「バイオメディカル推進室」、および「車載営業部」を設置している。
同社は2016年3月期で売上高1200億円、経常利益47億円達成を目指している。15年3月期は、売上高が前期比9・8%増1112億円と計画を12億円上回ったが、経常利益は計画を約2億3000万円下回る前期比9・4%増の37億円となっている。
今期の計画は、売上高で10億円、経常利益で9億円中計より下回る計画になっているが、この計画達成へ組織を再編し、特に「電機と機械の複合ビジネスを進めた総合力」を最大限発揮できる体制にした。
「産業ソリューション統括部」は、主力取り扱いメーカーである安川電機とオムロン製品を中心に、20人のスタッフで新規の顧客開拓を進める。高度な生産や人手不足からロボットなどの需要が増加しており、技術商社としての提案活動を行う。
「エンジニアリング部」は、今年9月で解散を予定しているエンジニアリング子会社のサンワテスコムの事業を社内に取り込むもの。サンワテスコムの30人のエンジニアリング力に、同社のヒト・モノ・カネを活用することで、提案から設置までワンストップソリューションを提供していく。
一方、これからの成長が期待できる分野として、医療関連と車載の二つのターゲット市場開拓に向けた組織も設けた。
「バイオメディカル推進室」は、安川電機と協力しながらのメディカル向けロボットによる、医薬品などの開発自動化と品質向上を進める。「車載営業部」では、名古屋地区での車載向けに特化した10人の営業部隊で、車向けの販売を進める。
専門領域に特化した専門販売員によるサービスまでを含めたきめ細かな販売を行うとともに、成果の見える化も狙っている。なお、同社では海外販売の強化も進めており、今年度中にメキシコとフィリピンに現地法人を設立する計画。