工程の温度管理はものづくりの基本。たった1℃の違いが品質を大きく左右する。三和電気計器(東京都千代田区外神田2-4-4、TEL03-3253-4871、鈴木啓介社長)の「ワイログ」は、たったの3分で設置・設定して使い始められる温湿度ロガー。現場のどこにでも取り付けて、簡単に温湿度管理システムを構築できる。
ワイログは、親機と子機のセットで使い、電池を入れると相互に通信しあってネットワークを構築。これだけで温湿度管理のシステムが完成する。通信環境は、干渉が少ない2.4Gヘルツ帯を使い、安定した通信が可能。
「箱を開けて3分で使い始められる温湿度計。取扱説明書を読まなくても、誰でも設定できてしまうほどの簡単さが特徴だ」(東京営業所・飯島賢所長)。
親機1台に対して子機は最大99機まで接続OK。親機と子機間は最大100メートル離して設置でき、中継器を置けばさらに100メートル延長が可能だ。数台の小さなネットワークから数十台の中規模のネットワークを簡単に構築できる。
子機は、データの記録間隔を1・2・5・10・15・20・30秒、1・2・5・10・15・20・30分、1時間から選ぶことができる。5分ごとのロギングに設定した場合は約2年分のデータ記録が可能。データはCSV形式で吐き出すことができる。PCと同期させてのリアルタイム常時監視や、データを子機にためて分析などに利用されている。
実際の事例では、ある世界的な大手物流会社が倉庫で導入済み。既存の倉庫に後付けで温湿度管理のシステムが必要になり、ワイログが採用されたという。
そのほか農業試験場や農家のビニールハウスの温度管理など。さらに製造現場では、フィルムの製造工程や印刷工程で使われている。「製造現場が乾燥しているとフィルムや紙が反り返りやすく、それを防ぐ用途で導入が決まった」(飯島所長)品質要求が厳しくなるなか、なるべく一定の環境で作りたいというニーズが高まっている。
飯島所長は「既存の工場や生産ラインに新たな温湿度管理のシステムを組み込むのは大変。しかし、ワイログなら、電池とパソコンさえあればすぐに導入できる。テスト機の貸出も積極的に行っている。ぜひ一度体験して欲しい」と話している。