横河電機は、ネットワークベース生産システム「STARDOM(スターダム)」の機能強化版を3日から販売開始した。価格は1セット50万円から。2015年度3500台、16年度4000台を販売予定。
STARDOMは、自律型コントローラ「FCN」「FCJ」とSCADAソフトウェア「VDS」で構成される制御システム。
従来は定周期ですべてのデータを収集していたため、通信データ量が大きくなり、通信費用がランニングコストを圧迫していた。今回、FCN、FCJをDNP3通信プロトコル「Unsolicited Response」に対応させたことで、FCN、FCJ側から運転員にとって必要なデータを必要なタイミングで遅延なく自律的にSCADAに送信できるよう通信機能を強化。
これにより、定周期通信の頻度を減らすことが可能になり、操作監視の信頼性を確保しながら、全体のデータ量を削減することで、通信コストの削減に寄与する。
また、SCADAシステムに対して、通信プロトコルの標準のポート番号では外部からの不正な侵入を受けやすくなるため、使用するポート番号に制限をかけるセキュリティポリシーを掲げるケースが増えていることに対応して今回、産業用ネットワークに広く採用されている通信プロトコルModbus/TCPに対応したネットワークでも、任意のポート番号を選択できるように通信機能を強化している。これにより、セキュリティポリシーに沿った設定が可能となる。
さらに、ガス流量を測定する代表的差圧方式の演算方式で、FCN、FCJに、グローバルに普及しているISO5167に対応した。