オリエンタルモーターに見る「ステッピングモータ」と「ACサーボモータ」の基礎技術と最新動向

ステッピングモータ_構造図ステッピングモータ、ACサーボモータ、リニアモータ、単軸ロボットなど、自動化装置に活用されるアクチュエータの精度や使い勝手が進化している。なかでも最も汎用性が高いといわれる「ステッピングモータ」「ACサーボモータ」について、基礎技術から最新動向を取材した。

まず、ステッピングモータ大手のオリエンタルモーター(東京都台東区)によると、ステッピングモータとACサーボモータでは、エンコーダの有無だけではなく、動作原理が大きく異なるという。ステッピングモータは小歯を持つステーター(固定子)とローター(回転子)の二つの部品から構成され、励磁相を順次電気的に切り替えることで、小歯一つ分の動作を精密に行う。ショートストロークで短時間の位置決めや、同期運転を得意としているが、位置センサを内蔵していないため、想定外の負荷が加わった場合など位置ずれを補正できない。

対してACサーボモータは内蔵したエンコーダからのフィードバックを考慮しながら、電流量で速度・位置・トルクなどを制御するため、トルク制御や高速回転を得意としているが、大慣性駆動などの場合はチューニングが必要。

そこで、オリエンタルモーターではステッピングモータで位置情報を監視・補正するためのセンサを内蔵した「クローズドループステッピングモーター(αステップ)」をラインアップに加えている。「これにより信頼性の高いシステム構築が可能」という。さらに、バッテリーレスで絶対位置を保持できる、機械式の「ABZO(アブゾ)センサ」も開発。製品への搭載が進んでいる。

同社によると、モーター自体の精度や安定性は、加工精度やコイルの巻き線のバラツキなどに大きく依存するため、基本となる生産技術力が製品の競争力に寄与するという。今後も、各社のさらなる技術開発が期待される。

オートメーション新聞は、1976年の発行開始以来、45年超にわたって製造業界で働く人々を応援してきたものづくり業界専門メディアです。工場や製造現場、生産設備におけるFAや自動化、ロボットや制御技術・製品のトピックスを中心に、IoTやスマートファクトリー、製造業DX等に関する情報を発信しています。新聞とPDF電子版は月3回の発行、WEBとTwitterは随時更新しています。

購読料は、法人企業向けは年間3万円(税抜)、個人向けは年間6000円(税抜)。個人プランの場合、月額500円で定期的に業界の情報を手に入れることができます。ぜひご検討ください。

オートメーション新聞/ものづくり.jp Twitterでは、最新ニュースのほか、展示会レポートや日々の取材こぼれ話などをお届けしています
>FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

オートメーション新聞は、45年以上の歴史を持つ製造業・ものづくり業界の専門メディアです。製造業DXやデジタル化、FA・自動化、スマートファクトリーに向けた動きなど、製造業各社と市場の動きをお伝えします。年間購読は、個人向けプラン6600円、法人向けプラン3万3000円

CTR IMG