安川電機は、次世代生産システムへの適用を想定した小型ロボット「MotoMINI(モートミニ、仮称)」を開発した。今後、社内の生産システムで利用しながら実用化を目指していく。
開発したミニロボットは6軸多関節で、同社のモータ技術を使って、可搬質量500グラム、最大リーチ246ミリの小型軽量化を実現しており、抱えて持ち運びでき、卓上での取り付けも可能。
また、同社の従来最小機種に比べて、動作加速度が2倍以上、特定動作のタクトタイムの25%短縮化などを図っており、高速動作での組み立て、配膳、部品挿入などに使用できる。
精度も、繰り返し位置決め精度はプラスマイナス0.02ミリ(参考値)で、ロボットハードウェアごとの個体差が少ないため、ロボットの置き換えを動作プログラムのコピーのみで完了し、ティーチング補正がほとんど必要ない。
市場の要求がめまぐるしく変化するFAの生産現場では、人とロボットの作業分担をフレキシブルに変更する対応が必要で、そのためにはロボットを多能工化し、人と共存しながら作るものにロボットが合わせて作業内容を変化させることが求められる。
開発したミニロボットは、人との共存、多品種少ロット生産に柔軟かつ拡張性を持つなど、高い自由度を実現できる新しい提案を目指している。
今後は、自動化機器間のネットワーク化、クラウドを利用した生産ラインの状態監視やデータ管理、新しい生産概念でもあるインダストリー4・0の方向性に合わせ、メカトロニクスとヒューマトロニクスに考慮した未来に向かったロボットとして開発を進める。