日本電産と日本アイ・ビー・エム(日本IBM、東京都中央区日本橋箱崎町19-21、TEL03-6667-1111、ポール与那嶺社長)は6月22日、ビッグデータ解析技術を活用し、生産設備・機器の稼働率向上と停止時間の短縮に向けた取り組みを共同で開始すると発表した。
日本電産は2030年度の売上高10兆円を目指し、グループ製品をIoT化して付加価値を高める戦略を展開中。日本IBMがグローバルで蓄積してきた異常検知・予知保全におけるスキルや知見を生かし、コンサルティング、ソフトウェアの活用、システム構築を共同で開発。モータの売り切りモデルからIoTを活用したソリューションビジネスモデルへの転換を図る。
具体的な取り組みとして、日本電産シンポのプレス機にセンサを取り付けてデータを分析したところ、不良要因の多くが金型であることが判明。金型の状態監視をすることで機械の停止時間の低減や金型の長寿命化ができ、プレス機の稼働率が向上することが分かった。
今後このシステムを使い、2015年中にグループの海外プレス機工場で「異常発生時の要因分析」に取り組み、ビッグデータ分析により高精度で短時間に要因を究明し、属人化しない適切な対策を実証していく。
効果検証の後、IoTソリューションとして日本電産グループの機器・装置に実装して日本電産による外販も進めていく予定だ。
今回のIoT化されたプレス機とビッグデータ解析技術は、7月15日~18日に東京ビッグサイトで行われる「MF―Tokyo2015(プレス・板金・フォーミング展)」に出展する予定になっている。