河村電器産業が国土交通大臣賞を受賞した「住宅用感震総合システム」は、大規模地震発生時において電気が原因となって起こる電気火災防止に対応したもの。
阪神・淡路大震災、東日本大震災では火災の中の60%以上が電気を火源としたものと言われるなど、電気が原因の火災が注目されている。
そこで、地震に対する電気火災対策装置として「感震リレー」が販売されてきたが、これは住宅用分電盤に装着し、地震を検知すると一定時間後に住宅全体の電気を一括遮断することで火災の発生を防止するもの。
今回の製品はその「感震リレー」の適応範囲の拡大を図ると共に、特定負荷を遮断する「コンセント端末」、検知震度などを設定操作する「操作ユニット」、それらを通信制御する「制御ユニット」でシステムを構成、より正確に住まいの環境に合わせた電気火災対策が可能となった。
大きな特徴は、新型センサによる正確な地震検知がある。地震検知において、加速度センサはコンパクトで3軸(前後、左右、上下)の検知が可能である半面、地震と他の振動との区別が難しいという課題があった。
今回の感震リレーは、同社独自のプログラム(気象庁が公表している「計測震度の算出方法」に従った内部演算、実際の地震波形データからのプログラム構築)を使用することにより、加速度センサの使用を可能とした。
その結果、分電盤のサイズ縮小や、直下型地震などの検知範囲拡大による施工性、安全性の向上が期待できる。
もう一つの大きな特徴は、二つの遮断設定による最適遮断である。「感震リレー」と特定負荷を遮断する「コンセント端末」でシステムを構成することで、地震発生時の一定時間後の電気一括遮断のほかに、「コンセント端末」に接続された電気ストーブ、調理器具、ホットカーペットなどの熱源機器の即時遮断にも対応している。これにより、さらなる電気火災リスクの低減が見込まれる。
また、検知震度の設定、一括遮断時間の設定など様々な付加機能を有しており、住まいの環境に合わせた地震対策が可能となる。
システムを構成する各ユニット間の情報伝達は、920MHz帯の無線通信で行っているため、配線が不要で既設住宅にも容易に導入することができる。
地震検知は、「感震機能付分電盤住宅用分電盤 JWDS0007―付2」規格に適合。加速度センサの採用により、地震検知は同規格で規定している水平(前後、左右)方向に加え、垂直方向の検知を実現した。直下型地震の検知や、免震住宅設置時の検知など広範囲の地震検知も可能となった。
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