オータックス(横浜市港北区新羽町1215、TEL045-543-5621、富田周敬社長兼CEO)は、韓国・安山市のGK社の株式約60%を取得し、関連会社にした。GK社はアルミダイキャストマテリアルに優れた技術を有している。オータックスは、この技術をスマートフォンの成型に生かして、軽量化と加工時間の短縮、コストダウンニーズに応える。特にスマートフォンメーカーの多い中国で筐体への採用に取り組んでいく。
その一環として、中国・蘇州の勝利精密と合弁会社「勝達精密」(中国・安徽省)を設立し、量産化体制の整備を進めている。今年末から来年にかけてオータックスの中国での子会社であるオータックス精機(深セン)50万台、勝達精密250万台の計300万台の生産体制を確立し、7億5000万円の売り上げを見込んでいる。「アルマイト加工ができる将来性ある材料として、スマホメーカーの求めるニーズと品質が確保できる」(富田社長)と言う。
同社が取り組んで来た中期経営計画「PLAN115」は2015年度に最終年を迎える。売上高100億円、営業利益率10%を目指しているが、15年3月期は売上高前年度比13%増の94億2000万円と堅調に伸びたが、利益は不良在庫処理や生産設備の廃棄、タイ工場の立ち上げ、製品価格の低下、さらには円安などが影響し、損失となった。このため、今期は全員営業を掲げて営業力の強化に取り組むとともに、原価の見直しと在庫の圧縮で収益体質の改善を進める。
富田社長は「来年度からの次の5カ年計画で資本政策を考えながら、株式公開や有力企業との提携なども視野に入れていきたい」としている。