産業用ロボットはプログラムされた通りに動く。つまりティーチング次第で動き方は変化する。ゼネテック(東京都新宿区新宿2-19-1、TEL03-3357-3044、上野憲二社長)の「Robotmaster(ロボットマスター)」は、これまでできなかったレベルの緻密なティーチングができ、産業用ロボットの能力を最大限に引き出すことができるオフラインティーチングソフト。同社エンジニアリング・ソリューション本部技術部技術営業課の佐原宗樹課長に聞いた。
-従来のオフラインティーチングソフトとの違いは何か?
佐原課長
ロボットメーカー純正のオフラインティーチングソフトは、シミュレーションソフトにティーチング機能が付いたような形で、操作が難しく、使いにくいものが多い。Robotmasterは、CAMをベースとし、製品の3D CADデータと連携してCNC加工機のプログラムを作るのと同じ感覚でティーチングができる。
通常、ティーチングは大まかな座標を指定し、カメラやセンサで位置を補正していく。しかしRobotmasterは、NC制御と同じように正確な座標を指定できる。
ティーチングが簡単・スピーディーにできるようになるのはもちろん、これまで産業用ロボットでは無理だと言われていたような分野もカバーできるようになる。
-具体的にどんなことが可能になるのか?
佐原課長
例えば、切削やバリ取りなど、工作機械の領域も産業用ロボットでできるようになる。
アーム型の多関節ロボットに切削工具を持たせれば工作機械だ。100分の1ミリレベルの高精度で複雑な加工のティーチングをすれば工作機械と同じような加工ができるようになる。
特に大きなワークには最適だ。ワークが大きくなると工作機械も大きくせざるを得ない。しかしロボットなら台数を増やしたり、レールをつけて移動範囲を広げれば大きなワークにも対応できる。レーザー切断や精密研磨など、より精度を求めるニーズも増えている。
-これからについて。
佐原課長
いまティーチングマンの数が不足している。ロボット普及にともなってティーチング回数は増えていく。これを解決するにはオフラインティーチングが有効で、Robotmasterを使えばティーチング時間を70%短縮できる。
またRobotmasterなら産業用ロボットの新たな可能性を広げることができる。アプリケーションの種類をどんどんと増やしていきたい。