電子情報技術産業協会(JEITA)は、サイバーフィジカルシステム(CPS)の社会実装に向けて、7月からJEITA内に「CPS社会実装検討タスクフォース」を設置し、活動を強めている。
具体的には、ブレークスルーが求められる基盤技術のテストベッド(実証)やプラットフォーム作り、研究開発の提案、政府に対する規制や制度面の提言、標準化などを積極的に進めるほか、普及・啓発や国際協調などの取り組みを行う。また、今年10月7日から幕張メッセで開催される最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2015」の会場で、CPS/IoTを体現できる特別企画「NEXTストリート」を展開する。
2020年の社会や生活がCPS/IoTによってどのように変わるのか、「観光」「流通」「技術」「インフラ維持管理」「地方活性化」などのシーン別に、その第一歩を体感できる先進的なサービスや製品を展示する予定。
CPSは、フィジカル空間である実世界にある多様なデータをセンサーネットワークなどで収集し、サイバー空間で大規模データ処理技術・AIなどを駆使して分析を行い、そこで創出した情報や価値によって、産業の活性化や社会問題の解決を図っていこうというコンセプト。
いま世界中で大きなうねりとして注目されているIoTは、米国ではインダストリアル・インターネット、ドイツではインダストリー4.0などのコンセプトで提唱され、各国でプロジェクトが始動。日本では、実世界(フィジカル空間)とサイバー空間の情報連携により新たな付加価値を作りだす新しいコンセプトとして、CPSの推進が期待されている。
JEITAでは、業界をリードする立場として、CPSによる高度な情報活用社会の推進は業界のさらなる成長のためにも不可欠と判断。IT・エレクトロニクス産業がプラットフォームとなり、カーエレクトロニクス、ヘルスケア、エネルギー、社会インフラなど成長が見込まれる分野と連携することで、わが国が直面する社会的課題の解決と新たなビジネスの創出を目指す。経済産業省をはじめ、政府や大学、国内外の関係機関・団体と連携しながら、CPSの社会実装に向けて、革新的な製品やサービスを創出し、様々な社会的課題を解決する活動に注力していく。
さらに、情報発信の一環として、JEITAの公式サイト上に、CPSへの取り組みや各社の事例、インタビューなどをコンテンツとするCPS特設サイト(http://www.jeita.or.jp/cps/)を開設し、産官学の情報を網羅して発信していく予定だ。