サトーグループは、IoTを用いた保守サービス「サトーオンラインサービス(SOS)」を開発、搭載ラベルプリンタ「スキャントロニクスCL4/6NX-Jシリーズ」を3日から発売した。産業用ラベルプリンタでIoTを実装したサービスは世界初。
製造業の現場では、ラベルプリンタの安定稼働ニーズが日々高まっている。食品、医薬品はもちろん、工業製品においても「安心」「安全」に関しての情報開示が以前にも増して求められ、トレーサビリティ情報や、製品情報を付加したラベルプリンタがトラブルを起こしてしまうと、生産自体が滞ってしまう可能性もあるためだ。最終製品のみならず、中間製品にもラベル添付される事例も増えている。
同サービスはラベルプリンタの稼働状況を24時間365日遠隔監視し、問題が起きそうな箇所を事前に見つけて必要なサポートを行い、予知保全を徹底することで製造現場の安定稼働を目指したもの。
「バーチャルカスタマーエンジニアを、お客様のそばに」をコンセプトとしている。
当初は「リモートメンテナンス」を中心としたサービスからスタート、今後取得したログデータを基に、ユーザーの業務効率向上につながる運用提案など、ニーズに応じたサービス拡張も行っていく。
セキュアで安定したサービスを提供するため、SOSの基盤として、CRM(顧客関係管理)プラットフォーム最大手「セールスフォース・ドットコム」のサービスを採用する。
今回発売する「CL4/6NX-J」はハード単体としても高い競争力を持っており、5年の保証期間、部品レベルまでこだわった堅牢設計、消耗品の交換のしやすさなど安定稼働を徹底追求。製造業を中心にグローバルな業務オペレーションの標準化や最適化の需要が高まっている中、SOSと組み合わせることで、機会損失を招くダウンタイムゼロを目指している。同社は、SOSを今後発売するラベルプリンタにも採用を拡大していくとし、日本を皮切りに、16年1月からはアジア各国、米州、欧州でも順次サービスを展開する予定。SOS対象機種の販売目標台数として20年度に世界で25万台を掲げる。
発表記者会見で、サトーホールディングスの松山一雄社長は「当社は長期基本戦略として、コアコンピタンスである”現場力”を磨き、”深さ(用途)”と”長さ(時間軸)”による経済を追求している。SOSを通じて顧客接点をより密にし、顧客価値の最大化を追求していく」と述べた。