「M2Mの次はM2H(マシンtoヒューマン)。IoTの進化は機器と人との円滑なコミュニケーションがカギになる。両者をつなぐUIが重要だ」-こう語るのはACCESS(東京都千代田区猿楽町2-8-8、TEL043-212-2230、兼子孝夫社長)の取締役執行役員植松理昌CTO。IoTで機器が進化していくと、これまで以上に人と機器の意思疎通の機会が増え、正しく、漏れなくスムーズな情報伝達が必須になる。同社は30年以上、機器とインターネットをつなぐ組込み技術とUI設計を手掛け、IoT時代にさらなる飛躍を目指す。
いまIoTは、M2Mで機器同士がインターネットでつながり、人間不在で機器を自動で動かす全自動化の動きがある。人による作業も依然存在し、それぞれに一長一短。両者の利点を備えるのが”人と機器との協調”で、ロボットをはじめ、さまざまな場面で人と機器とのコミュニケーション活用が出てきている。そのベースとなるのがM2Hで、そこには優れたUI設計が求められる。
同社のクラウド型メッセージサービス「Linkit」は、スマホで人と機器がチャットで会話できるインターフェース。ソフトバンクの感情認識パーソナルロボット「Pepper」に採用され、人とロボットのシームレスなコミュニケーションに大きく貢献している。
Linkitで家にいる家族に向けてメッセージを送ると、Pepperが家族の様子や感情を認識してスタンプや文字情報で返信。その様子で家の状況が分かる。まるで人とコミュニケーションするように機器と会話できる。
「人が使い慣れたUIにすることでよりコミュニケーションが密になり、それによりIoTが広がっていく」(植松氏)。
同社はLinkitをはじめ、IoTに必要なプラットフォームからミドルウェア、アプリケーションまでフルラインナップ。機器開発用のSDKも提供している。IoT機器を開発したい、サービスを展開したいという企業は、必要なものを組み合わせてスピーディーにIoTサービスをスタートできる。
「IoTに取り組む企業にとって、すべての要素を個別に開発するのは大変。そこをACCESS
Connectという形でIoTに必要な要素技術をすべて提供している」(植松氏)。
同社はこれまで、携帯電話やカーナビ、テレビ、ゲーム機にインターネット接続を可能にする組込みソフトを多数開発。iモードのブラウザなど、人とインターネットをつなぐUIを作ってきた。
植松氏は「IoTで機器がネットにつながって相互連携する時代。これからは人と機器とのコミュニケーション、M2Hが広がっていく。ACCESS
Connectで企業のIoTビジネス創出をサポートしていきたい」と話している。