米GEは、インダストリアル・データとアナリティクス専用に設計したクラウドソリューション「Predix Cloud(プレディックス・クラウド)」で、産業向けクラウドサービス事業に参入することを発表した。高いセキュリティを施した産業向けに最適なクラウド環境を提供し、多様な産業機器から生成されるデータを素早く取り込み、分析できるようになる。同社は2014年にソフトウェア関連で売り上げた約40億ドルを超える、15年には約60億ドルを見込んでいる。
同クラウドサービスは、同社のIT領域とOT(オペレーション技術)領域における深い専門知識を組み合わせ、接続性とデータサポート、インダストリアルレベルのセキュリティとコンプライアンスを考慮した設計になっている。これにより機器データを迅速・効率的に活用でき、年間数十億ドルのコスト削減が可能になる。
インターネットに接続する産業機器向けに高い接続性を提供し、センサやゲートウェイ、ソフトウェアドリブンの機器をすぐに設定可能。
産業機器が生成する特殊なデータに対して専用設計し、格納、分析、リアルタイム管理が可能。数千のセンサが取りつけられた貨物用機関車の時系列データを取り込んで分析したり、医師の診断用の3次元MRI画像のような大容量データまでスピーディに取り扱うことができる。
高度なセキュリティプロトコルを組み込み、産業界の事業者や開発者でカスタムも可能。さらに各国・各地域の規制やデータ取り扱い上の権利に対応し、それらを順守しながらガバナンスを簡素化している。
同社のジェフ・イメルト会長兼CEOは「インダストリアル領域における新たなレベルのサービスと成果を提供する。例えば、デジタル技術を活用した病院は、よりよく迅速なヘルスケアを提供することとなり、同様にデジタル技術を活用した製造工場は、短い期間で製品を製造することを意味するだろう。またデジタル技術を駆使したオイルカンパニーは優れた資産管理を行い、あらゆる油井で生産性向上をもたらす。お客様のビジネスを変革するために個別にカスタマイズされたソリューションを開発できることを期待している」と述べた。
またGEソフトウェアのバイスプレジデントでPredixゼネラルマネージャーのハレル・コディッシュ氏は「産業機器のデータを取り込み、分析することに特化したクラウドによって、これまで予測できなかった問題が発生したり、機会損失が生じるという事態は過去の問題となる。Predixクラウドによって、産業機器やフリート、工場により高い価値を与え、インダストリアル・アプリ・エコノミーを加速させるだろう」と述べている。