安川電機は、入力電圧電流に加え、出力電圧電流も正弦波でのドライブを可能にした「入出力電圧電流正弦波ドライブ」のマトリクスコンバータを世界で初めて開発した。今後2年以内の商品化を目指す。
マトリクスコンバータは、電圧形PWMインバータの交流―直流―交流変換とは異なり、交流―交流の直接変換を行うため変換ロスが少なくでき、しかも電力回生エネルギーの有効活用と電流制御による電源高調波抑制効果も見込める。
従来、入力電圧のみ正弦波ドライブであったが、今回SiCを用いたパワー半導体をメーカーと共同で開発し、同社が培ってきたマトリクスコンバータドライブシステムの回路や構造技術、新開発の入出力フィルタや出力電圧制御技術などを組み合わせて「入出力電圧電流正弦波ドライブ」を実現した。
これにより、入出電流、および出力電圧の歪みが5%以下に低減でき、最大変換効率も98%以上の高効率化を実現。モータの効率改善に加え、絶縁を強化した特殊モータや、長距離配線時の出力フィルタが不要になる。
同社は2005年に世界初のマトリクスコンバータを製品化。昨年には後継機種のU1000シリーズを発売し、新市場開拓に取り組んでいる。