GEは8日、フランスの重工大手のアルストムの発電・送電事業の買収が欧州委員会で認可され、米国司法省の買収の完了を認可する同意判決を得たと発表した。GE会長兼CEOのジェフ・イメルト氏は「欧州委員会と米国司法省の本日の決定は、第4四半期の早期にこの案件を完了させるための大きなマイルストーンとなる」とコメントした。
規制当局は承認の条件として、GEが発電プラント・機器の主要企業であるアンサルドエネルジアにアルストムの大型ガスタービン事業の一部と、パワーシステムマニュファクチャリング事業の売却を求めている。PSM事業は、他のOEMのアフターマーケット向けの部品サービスを提供しており、GEは、同社以外のOEMのガスタービンのためのアフターマーケットサービスに関するPSM事業のIPライセンス使用料を受け取る。これに対しGEは、承認を条件として買収案件が済んだ直後に完了となる予定。
GEは2014年4月、アルストムの発電・送配電事業を123億5000万ユーロ
で買収することに合意。同6月には合弁会社(再生可能・送配電・原子力)に買収ストラクチャーを変更し、買収額をおよそ85億ユーロ
(約95億ドル)に調整。
今回の買収により、GEは発電容量約1500GWのインストールベースを実現したほか、再生可能エネルギーで幅広い製品ポートフォリオを持ち、火力発電施設全体の設計能力の向上が可能になる。さらに送配電製品におけるスケールメリット、インストールベースの性能向上のためのビッグデータの解析や分析能力、150カ国以上の発電関連のユーザーに対するローカルリソースとグローバルリーチなど、競争力の強化が実現する。