ミマキエンジニアリングは、世界で初めてUV硬化インクジェット方式でフルカラー出力を実現させた3Dプリンタを開発しており、連結子会社のグラフィッククリエーションにおいて、9月11日からフルカラー3Dプリントサービスを開始している。
同社は業務用インクジェットプリンタ大手。製造業向けにはUVインクジェットプリンタなどを開発、販売しており、自動車向け内装部品など、高さ150ミリまでの凹凸があるワークにもインクジェットによる印刷を実現し、現場での採用が広がっている。
今回の3Dプリンタも同社のインク吐出技術、インク技術、色表現を生かし、高発色で美しい色表現・高精細で美しい造形を実現する「表現力に差がつくフルカラー3Dプリンタ」を目指して開発。製品の発売に先立ち、市場のニーズを捉え、製品に反映させるため先行して出力サービスを開始した。
最大の特徴は1000万色以上での鮮やかな色表現。3Dプリンタではフルカラー出力ができる方式として石こう方式があるが、どうしても原料である白い石こうの影響が残ってしまう。今回採用したUV硬化方式の場合、樹脂をそのまま素材として使うため極めて自然な色表現ができる。さらに、クリアインクも搭載し、カラーインクと組み合わせた有色スケルトンや内部構造の可視化も可能。積層ピッチも約32マイクロメートルと滑らかな造形ができる。
3Dプリント出力料金は出力対象の大きさにより、参考価格として幅、奥行き、高さの3辺合計の長さで30ミリの場合1万8000円、151~200ミリの場合9万1000円、301~350ミリの場合32万円となっている。
今後の課題として、出力速度の向上が挙げられるものの、試作品のモックアップ製作など製造業でのニーズは今後増えてくると想定される。開発中の3Dプリンタ自体は2016年秋の販売開始を予定しており、販売予定価格は未定。
UV硬化インクジェット方式3Dプリンタの出力見本