手持ちできるハンディタイプながら1.6キロ先まで照らせる投光器。警察や消防、レスキュー、軍事・防衛関連で使用される超強力な懐中電灯を開発したのが、サーチライトジャパン(東京都江東区青海2-7-4、TEL03-6380-7138、東賢社長)だ。
同社は、HIDランプの強力な光を活用し、今まで見えにくかったものを見やすくする。そんな技術を強みに、ユニークな製品を開発している。
例えば、530ナノメートルの緑の波長だけを取り出すレンズフィルターとHID投光器。何もなかった場所に光を当てると足跡が浮かび上がる。床の薄いホコリの膜を誰かが歩くと、その場所だけ凹凸ができて光の反射率が変わる。それを浮かび上がらせて見える化できるというものだ。
全国の警察の鑑識課に納品し、最近は産業用でも使われ、食品工場や燃料電池の製造工場でも導入されているという。「工場のクリーンルームのパーティクル発生源の調査に採用されることが多い。このライトで光を当てるとホコリが舞っている様子が見え、どこから出ているのかがはっきり分かる」(東社長)。
このほか、赤外線や紫外線レンズフィルターなども各種取りそろえている。
HIDの光は、LEDとレーザーのちょうど中間領域をカバーする。LEDは直進性が強いが、一つひとつが小さい。大きな光にするためには、いくつものチップをまとめなければならない。逆にレーザー光は強いが、危険なので使用時に制限がかかる。HIDはその間に位置し、明るくて強く、直進性があり、大きな光を作ることができる万能な光だ。しかも安全で演色性も高く、自然な色合いが出せる。
「日本はLEDが多いが、海外ではHIDも使われる。当社のHIDシステムは、1Wあたりの光束効率が110ルーメンを超え、LEDよりも高照度で効率が良い。検査用途向けに製品を開発していきたい」(東社長)と話している。